experimental-deco: 【iDea crewS!】Vol.9 ‐危険な我が家は楽しい我が家‐ 『荒川修作』 【iDea crewS!】Vol.9 ‐危険な我が家は楽しい我が家‐ 『荒川修作』 :experimental-deco ‐コラム&アクセ製作記‐

【iDea crewS!】Vol.9 ‐危険な我が家は楽しい我が家‐ 『荒川修作』

住宅とは人が寛ぎ、安らぎを得る場所です。
人は住宅に快適性や安全性を求めます。


それを否定した住宅があるとすれば
あなたはどう思うでしょうか。


『三鷹天命反転住宅~In Memory of Helen Keller~』

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故・荒川修作氏の設計した集合住宅です。


奇抜な形状と色を持つ外観。
このカラーリングは、どの位置でも
6色以上の色が見えるように
彩色の計算がされています。


住居内部も変化に富んでいます。
凹凸のある床に、球状にくりぬかれたような部屋。
「常識的な」部屋は見受けられません。

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自然は元来、直線は存在せず、
曲線と色で溢れている。
そういう思想がこの住宅に表現されているようです。


この住宅の面白い点はまだあります。
主要な部位を工場で作り、
現場で組み立てる工法で建設されています。
この建物は工業製品という側面も併せ持っているのです。


住宅名の後に書かれている言葉も意味深長です。
「~In Memory of Helen Keller~」即ち、
「ヘレン・ケラーのために」。


ヘレン・ケラーのように
触れて世界を認識するかのような住居空間。
形状やテクスチャーに注力しているのは
そんな眼目もあるからでしょう。


この住宅を見ていて、ある女性の
印象的な言葉を思い出しました。
番組名は失念しましたが、
ある番組でリフォームした住居の取材を受けた
90歳を優に超えるであろう
その女性はこう言いました。


「バリアフリーならぬバリアアリーなんです。」


そのリフォームは
ある部屋への入り口の段差を
敢えて残してありました。
体にも気持ちにもこの段差は必要なのだと。


『三鷹天命反転住宅』は
上記の「バリアリー」の発想を
肯定的に具現化した建物なのでしょう。


利便と不便の狭間から
人間の豊かさや未来を覗き見る。
そんな気がしました。


公式サイト
『三鷹天命反転住宅~In Memory of Helen Keller~』

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